ギャップ

チェンバロ・ピアノ奏者 水野直子です。

ご訪問ありがとうございます。

 

今日のお題は「ギャップ」です。

演奏活動から感じる
地方(私の) VS 東京のギャップ。

ちょっと辛口です。

 

 

東京に音楽活動の拠点を完全に移してからは、地元で演奏をしなくなり、長い時間が経ちました。

それには色々な理由があります。
ここでは書ききれないことが多いですが。

一般的なことを言えば
東京はやっぱり、東京。洗練されていること、ものが多いなぁ、と。

東京と私の田舎を比べることはそもそも間違いでしょうけど
やっぱり東京は芸術に対する意識が高いですよね。

音楽の世界においても、東京には、
世界で活躍するような素晴らしい演奏家が揃っていますし。
そうした方の演奏を聴いていると、
実際、聴衆の耳も肥え、
演奏会のマナーも向上しますよね。

でも、もちろん地元に帰れば、地元のゆるい(?)よさもあろうことかと。

 

 

例えば
「水野さんちのお嬢さんが、発表会するって!」
(・・・発表会のつもりはないですけどね。。プロとしてお金いただいてその時の最高の演奏を目指しますから)
という
温かい雰囲気があるし
それに私も知っている顔を舞台から見つけると、やっぱり嬉しいものです。

 

ですがそんなアットホームな演奏会では
最前列でおしゃべりされることもしばしば。

まあ、そこはしょうがないか、で流します。

 

 

そういえば、一番最後(・・もう10年以上前かな)に演奏した時は、
おばあちゃんと小学生高学年のお孫さんが、
「次、月光だって」とか「今何の曲?」なんて話していたなぁ。

静かな1楽章に、響き渡るひそひそ声。。。

 

 

でももし、それを自分の生徒さんがしたら・・・?

いえいえ、絶対、そんなことはさせない。

こうしたことは小さい時から教えれば皆できるんです。
うちの生徒さんは、年長さんだって、あの長い熱情ソナタの全楽章を静かに聴けますよ。

それができないのは、教えてもらってないからなんです。
じゃあ、誰が悪いのか。

・・・さすがに書くのはやめておこう。

 

 

 

前置きが長くなりましたが、
先日久しぶりに、また出演しないか、という連絡がありました。
ジョイントで。

ありがたいのですけど
・楽器
・出演料
・旅費
すべて自腹で、というものです。

もうこれね、そもそもおかしいと思うんですよ。

駆け出しの若い方で、
もし潤沢な資金があって、出演料が払えるなら、
むしろ自己投資だと思って出演するといい。

割り切って「場数を踏む」と考えて活用するといい。

 

 

あれ?
じゃあ私はまだ演奏家として認められていないってことですね?

 

 

その後、私をさらに失望させた驚きの言葉が続きます。
「出演するお金がないなら、お母さんに聞いたら」ということでした。

 

 

情けなくて涙が出そうになりました。

 

 

 

私は反面教師になりましょう。
私が演奏会を企画をするときは、
可愛い門下生には、
持ち出しさせないようにやりたいなぁ、と心から思いました。

 

 

そして、いつまでたっても生徒を顎で使えると思っている音楽従事者が、今後、一人でも少なくなるといいなと思います。

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