装飾は速く弾くことを目的にしていない
レッスンで「先生、トリルががうまく入らなくて・・・」というお悩みの問題点は、たったの2つです。
1つめは、技術的に問題があること。
2つめは、トリルが速すぎるということ。
まぁぶっちゃけどちらも技術の問題なのですが、1つめの場合は、指の動きが悪いということですよね。
指の動きが悪い原因は、レッスンでちょっと弾いてもらっただけで、一発でわかります。
この際にすぐに正しく弾けることもあれば、根本的な問題である「筋肉が育っていない」ために、すぐに弾けないこともあります。
ちょっとした練習の工夫が必要です。
なぜならこの筋肉は生活で自然に使う筋肉ではないので、ピアノやチェンバロを弾く、という意識を持って筋肉を動かす必要があるからです。
2つめの問題は、思考の問題です。
トリルというだけで焦ってしまうんですよね。
「トリルは速ければならない」という速度信仰みたいなものが、いつの間にか頭の中に根付いているのです。
今日のレッスンでもトリルに悩む大人の方がいらっしゃいましたが、2つめの「思考」が問題だったので、すぐに解決しましたよ。
トリルを含めそもそも「装飾音」とは、音と音を繋ぐものなので、その繋ぎが、潰れたおもちや、絡まった糸のように、ぐっちゃりしていると、装飾音の美しさが出せなくなってしまいます。
しかしこれも、トライアンドエラーを繰り返すことで、できるようになります。でも、一人ではなかなか難しいので、上手くなりたい人は、レッスンへ通ってくださいね。(レッスンは、うちでなくてもいいのよ)