音楽を極めるには〇〇が必要
練馬区氷川台 チェンバロ・ピアノ教室 水野直子です。
11月に入りました。今年もあと2ヶ月。大切に過ごしたいですね。
今日は「演奏家」としての立場からお話ししたいと思います。長くなりますので、お時間に余裕のあるときに、お読みいただければと思います。
先日、留学の「語学」のご相談を受けました。
ヨーロッパの音楽院は、秋から始まります。留学を希望する場合は「あと1年切った!」とそわそわし始める時期でしょうか。
とはいえ、留学を決めている方は、もっと早い段階で下調べをし、ビザの取得方法や、どこでビザを取るのか、音楽院が始まる前に現地の語学学校へ行くのなら、ビザは語学学校でまずもらっておくのか?など、音楽以外に考えることがたくさんあります。そうしたことと並行して、留学希望の先生とも上手に、そして綿密にコンタクトを取りアピールしなければなりませんね。
なかでも留学先の担当教授との関係はとりわけ重要ですから、情報収集をして「この先生だ!」と思える方に巡り会うような、そうしたフットワークの軽さと、周りに惑わされない精神的な強さが必要です。
こうした情報収集と人とのコミュニケーションに必要なのってなんでしょう。
語学ですね。
シンプルです。
留学先が英語圏ならば英語ができさえすれば良いですが、今の日本の現状(日本の音大の現状、といったほうがいいかな)を見ると、英語でさえも不慣れな方が多い気がします。そうなると、ピアノはうまいのに、語学ができなくて相手にされない、ということが起こります。
「音楽には言葉はいらない」や「音楽は万国共通」というフレーズを聞いたことはありませんか。
もしあなたが音楽愛好者であるならば、音楽は「聞いていて楽しい」ものです。そして音楽で「同じ感情を他者と共有することができる」という経験を享受できます。音楽ならではの素敵な経験です。
しかし音楽を奏でる立場の人間は、音楽を伝える使命があるわけですから、ただ自分が楽しいと感じたものを気ままに弾く、といった責任のないことはできません。
私は、音楽は「作曲家の言葉を、人間の言葉を使わないで伝えるもう一つの言語」だと思っています。だから、私たち音楽家は、音楽家だからこそ、作曲家が使う語学ができなければならない、と。
語学ができて、初めて微妙な、そして絶妙なニュアンスを表現できることも多いと思います。(15年前、「あなたがもっと上手にフランス語ができるようになると、もっと上手に弾けるようになるわよ」とクープランを弾いていて、故デュレイファス先生から言われたことがあります。)
また、語学ができると、日本語に翻訳されていない文献がいち早く読めます。つまり最先端の研究が読めるわけです。
私は今まで、ずっと英語が苦手でした。去年から、論文を書くために英語の文献を読めるくらいの実力をつけたくて、勉強をし直し始めたのですが、いや〜、思ったより辛かったです。でも今年は、去年の成果が出てきています。嬉しいです。問題のほとんどは東京大学大学院の問題だったりするわけで、レベルは高いのですが、最近はクラスで最高点を取るくらいにまではなりました。もちろんこれは指導教官の指導が的確で素晴らしいのですけれどね!
語学はやればやるだけ絶対伸びます。
そしてグローバルな活動を視野に入れているのならば、必須アイテムです。
頑張って!応援しています。
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