涙のショパンと、ちょっとお茶目なバッハの話
(本日の記事は、ピアノの先生むけメルマガより抜粋しています)
大型連休も後半ですね。
みなさんのお出かけのご予定は?
私はといえば、この数日間、夕方になるとソワソワ……。
そう、ショパン国際ピアノコンクール予備予選が始まっているので す!

同じ気持ちでテレビの前にスタンバイしている先生、いらっしゃいませんか?
特に、30日に演奏された山縣さんと山崎さんの演奏には心を打たれ、
思わずテレビの前に正座して、涙を流しながら聴いていました。
普段はバロック音楽を専門とする私ですが、
ショパンは特別な存在です。憧れでもあり、大好きな作曲家のひとりです。
「一番好きな作曲家は?」と聞かれたら…
よく「やっぱりバッハがお好きなんですか?」と聞かれますが、
これがなかなか難しい質問でして…。
実は、「そのとき弾いている作曲家が一番!」と思うタイプなのです(笑)
なんとも「ちょろい人間」ですよね。
バッハって、本当に“難しい”のでしょうか?
さて、バッハといえば——
「難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
私も、もちろん難しいと思っています。しかし同時に、バッハの魅力にあらがえない、自分がいます。
最近、こんなふうに思うのです。
もしかしたら、〈インベンションに入る前の「準備段階」〉をすっ飛ばしてしまったことが、
「バッハ=難しい」という思い込みにつながっているのでは?と。
(昭和の日本のピアノ教育のせいでもあったかも?とも)
そのため、バッハは「神格化」され、
尊敬と同時に、どこか”畏怖(いふ)”のようなものも抱いてしまうのかもしれません。
でも実は、バッハもひとりの“人間”なんです。
人間・バッハに出会えるおすすめの1冊
そんなバッハの“素顔”に出会える素敵な本をご紹介します。
磯山雅先生著『J.S.バッハ』
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この本には——
・頑固だけど倹約家のバッハ
・喧嘩をふっかけられて剣を抜いて応戦したバッハ
・白内障の手術に2度失敗し、意気消沈した晩年
・金遣いの荒かった息子たちとの遺産トラブル
などなど、人間味あふれるバッハ像が描かれています。
生徒さんにこんなエピソードをお話しすると、
音楽室の“ちょっと怖い”バッハの肖像画も、
少し親しみやすく見えてくるかもしれませんよ。
(実際に、うちの小学生の生徒さんたちには大ウケでした!)
【ご案内】舞曲で読み解く《フランス組曲第5番》
5月8日(木)11:00〜
バロック倶楽部メンバー様からのリクエストを受けて
バッハ《フランス組曲第5番》を通して舞曲について90分お話しします。


ご興味のある方は、下記URLをご覧くださいね。
※5月6日までの公開予定ですが、現在すでに38名様超え。
40名様になりましたら、当日の運営の都合で 早めに締切させていただこうと思っています。