ピアノでバッハ:シンフォニア第2番 ハ短調
練馬区氷川台、平和台、桜台のピアノ・チェンバロ教室
《水野直子 ピアノ・チェンバロ教室》ブログへのご来訪、ありがとうございます。
今日は「ピアノでバッハ」です。
前回の記事ではチェンバロでバッハのシンフォニア2番をご紹介しました。
チェンバロは、ピアノのように強弱もつかないし、ペダルもありません。
ピアノでバッハを弾いたことのある方は、ピアノができることを削りながら「バロック的」(そもそもバロック的って何か、という疑問も生まれますが)な演奏になるように努めませんか。
そこで私は、ピアノでのバロック演奏を「引き算の演奏法」と呼んでいます。
ですが、チェンバロはレガートも強弱も、すべて『指』頼みです。
例えばレガートは一音一音を重ねるように、強弱をつけたい時は和声を重ねたり、減らしたり、和音をずらして音を減衰させたり・・・と、色々なテクニックを使って、音の幅を立体的に構築していきます。
ピアノ脳でいると、チェンバロを目の前にした時「ピアノでは、ペダルも付けられて、強弱も簡単にできるのに、チェンバロではそれができない・・・」と、チェンバロの素朴さにがっかりするかもしれません。
でもこの楽器は素朴だからこそ、そして指の技術を生かせば生かすほど、驚くほどのAffectを引き出してくれます。
こうした理由で、私は、チェンバロの演奏を「足し算の演奏法」だと感じています。
ブログの読者のみなさまはご存知かと思いますが、私は、チェンバロもピアノもどちらもリスペクトしています。
だからピアノでバッハを弾くのもすごく好き。この夏、バッハを練習していて、改めてバッハの魅力にはまってしまいました。
手前味噌ですが、お聞きいただけると嬉しいです♪
今日はもう一つ踏み込んで、ハ短調という性格について少し述べたいと思います。
ハ短調は、作曲家にとって特別な調です。
ハ短調の同主調であるハ長調は、何一つ調号がついていません。
でもそれが短調になると、途端に3つものフラットがつくんです。
刺激の強い現代人にとっては、あまりピンとこないかもしれませんが、全く何もなかった0から3になることは、驚くほどの変化を促します。
ハ短調の曲で有名なのは、ベートーヴェンの交響曲第5番《運命》。
カラヤン&ベルリンフィルでどうぞ↓
激しいですよね。実際、最初の「ソソソ ♭ミーーー!」では、当時の人々もかなり驚愕したそうです。
でもその後に続くフレーズは・・・優しくないですか?
すぐにクレッシェンドが来るので、「ソソソ ♭ミーーー!」にびっくりしていると、さらっと通り過ぎちゃいますが・・(そこがベートーヴェンのすごいところ!)
実はこの「ハ短調」という調性は、バッハと同時代の音楽理論家マッテゾンが『新設のオルケストラ』(1713)で
- 並外れて愛らしく、同時に悲しい
- 愛らしい性質が出て来やすいため、多少活気のある、あるいはこれと同等な性格な動きを用いることによって、生気をもたらすのは悪くない
とまとめています。
私はこのマッテゾンの意見がバッハのこの作品にドンピシャリと当てはまっていることに、感動しています。
演奏が自己流になってしまう、バロックがロマンティックになってしまう・・そういう時には、同じ曲の演奏をYouTubeで見るよりも、ジャンルに関係なく同じ時代の曲を聴くことをおすすめします。
その際は、ジャッジせずに、たんたんと聴くのが大切かなぁ、と思います。
そこに本を読む時間が取れたら、最高ですね。
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