アラベスクってどんな意味?(ピアノ講師向け記事)
今日は、前回の記事で触れた、ブルクミュラーの25の練習曲 第2番《アラベスク》の続きです。
アラベスクって、どんな意味でしょうか?
このブログの読者の方はご存知かと思いますが、もし知らない言葉が出てきたら、調べる習慣をつけましょう。
アラベスクは、「アラビアの」または「アラビア風の」という意味を持ちます。
アラビアはどこ?という方のために、地図を。
画像の中心がアラビア半島です。
この周辺は、政治的に、まだまだ大変なところが多いですね。。
2千年にわたって、宗教争いをしている地域もあるし、そうかと思えばサウジアラビアのようなリッチな国もありますね〜〜
場所を確認したところで、アラベスクは狭い意味(狭義)と広い意味(広義)の2つがあります。
まず狭義には、イスラム美術(イスラム教徒によって作られた美術)で、様式化された花、実などがモティーフとなって、絡み合ったつる草のような、優美な曲線でつないだ独特の装飾文様です。
(イシュファン・シェイク・ロトフォラー寺院のタイル これより以下、en.wikiより画像拝借)
広義には、イスラムの装飾文様一般を指します。
植物文様、幾何学文様、文字文などに大別できます。
これらの単純な基本形を幾つか組み合わせて、複雑で抽象的な文様が構成されていきます。
イスラム世界では、偶像崇拝が禁止されていたので人物の描写はありません。
動植物や文字を使って、優美で独特な世界観を表しています。
同じ柄を繰り返すことで、一神教のアッラーを暗示している、とも聞いたことがあります。
一つのものが芽を出し、そして限りなく広がっていく、という世界観は、どこの国にもあるようだし、またそれは音楽にも通じますね。
音楽でアラベスクを表現する際は、細かな動きによって絶え間なく動くモティーフが使われます。
さて、こんな偉そうに語る私も、幼い頃に弾いたブルクミュラーの《アラベスク》には、そんなイメージを教えてもらっていなかったし(それは私が幼さすぎたから、かもしれませんが、絵ぐらい見せてくれていてもいいじゃない?と今は思うし)
中学の時に弾いたドビュッシーの《アラベスク》のレッスンでは・・うーんどうだったかな、もしかしたら、意味くらいは教えてくれてたかもしれないけど、記憶にない(汗)模範演奏のなかったレッスンだったからね。
現在は、指導法の研究が盛んだから、指導者のセミナーに行けば、指導法も教えてもらえるから、ある程度の知識の埋め込みはできるかと思いますが・・・
イメージ通りに弾いているかどうかは、知識の詰め込みだけでは補えないので、そこはレッスンに行った方がいいと思いますね。
知るのとやれるのは、全く別物だからなぁ〜。
私が揃えている本です。
外出自粛のおこもり生活で、知識をインプット!
詳しくはこちらでご紹介しています
ブルクミュラー 《素直》