12月21日ギャラリーコンサート 満員御礼 ありがとうございました
チェンバロ・ピアノ奏者の水野直子です。
12月21日のギャラリーコンサートにお越しくださいました皆さま、ありがとうご
ざいました。
こちらのコンサートは、いつものコンサートとは趣旨が違い、
私には一つの大きな役目がありました。
コンサート終演後に、今回のコンサートの趣旨を久保田さんからお話がありましたので、
ご来場くださいました方々はすでにご存知かと思いますが、
当ブログでも、かいつまんでお話しさせていただければと思います。
今回久保田彰氏が制作されたイタリアンチェンバロは、
楽器制作を注文されたオーナー様の
「世界に一つしかないものを作っていただきたい」というお話を受けられて制作された、
あらん限りの贅を尽くした楽器です。
楽器の材料となった木をはじめ、
響板画(テンペラ)、蓋の絵画に加え、鍵盤には寄木細工が施されています。
そうした楽器に、久保田さんから
「この楽器のお披露目公演に、鳥木さんにお声をかけていただいて、ごくごく内輪な演奏をしていただけませんか。」と、直接お話をいただいたのが11月の終わり頃でした。
製作家からお声をかけていただけるのは、
演奏家にとって
「仕事」とはまた違う名誉を与えられることです。
私はすぐに「こちらこそよろしくお願いします」と喜んでお返事させていただきました。
それに弾かせていただける楽器はイタリアンチェンバロです。
日本には数が少なく、なかなか弾く機会のない楽器です。
また、イタリアンチェンバロを弾く、ということは、
私にとって二つの意味で
「原点にたちかえる」ことを意図します。
一つめは、私のチェンバロ人生の原点がイタリア音楽との出会いであったということ。
二つめは、バロック音楽が花開いたのが、イタリア音楽であり、
なかでもイタリアのバロック初期の作品が、その後の音楽に大きな影響を与えている、ということ。
この個人的な意味と、
音楽史上の意味において大切なレパートリーを
演奏する責任と
久保田さんとオーナーの大切な楽器に
失礼があってはならない、という思いで、
今回の公演をプログラミングしました。
プログラム
G. フレスコバルディ
第1舞曲、クーラント、パッサカリア*
トッカータ第2集より第1番*
C. モンテヴェルディ
いと甘き苦悩
忌々しいおもかげよ
B. パスクイーニ
いたずらカッコーのトッカータ*
L. ダカン
カッコー*
A. スカルラッティ
ガンジス川に日は昇り
フォリア*
L. マンチャ
そばにいることは
T. ジョルダーニ
愛しき人よ
D. スカルラッティ
チェンバロのためのソナタより
ヴェネツィア版1巻から3番、14番
C. グルック
歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』より
アリア「エウリディーチェを失って」
*チェンバロ独奏
イタリアンチェンバロの曲・・・つまり、イタリア初期バロックは、鍵盤楽器の可能性に目覚めた時期なので、どれも非常に技巧的です。それはもう超・超・超絶技巧。
そして今回は、その楽器の魅力を1時間で伝えきらなければならない。
(リハーサル中)
滑舌の良い、おしゃべり好きな楽器をすぐに感じてもらえる曲、
でも、ちゃんと歌えるということも証明したい。
そして、超絶技巧ばかりでなく、馴染みのものもご紹介して、ご来場くださった方々の心を安心させたい。
そうした思いで組んだプログラミング。
お楽しみいただけましたら、演奏者として、こんな喜びはありません。
そして、ムーサ以来の鳥木弥生さんとの共演も、楽しいことばかり!
リハーサルから、悶絶。
コンサートは1時間ほどで、
そのあとは楽器を囲んで、久保田さんとともに懇親会でした。
私にもお声をかけてくださり、嬉しかったです。
「イタリアンチェンバロはお喋りだなぁ」とご感想くださる方もいらっしゃり(^^)
私にとっては難しい曲のオンパレードでしたので、
大きなお役目が終わって、ホッといたしました。
ホッとしたので、羽目を外して、
憧れのロメオ・弥生に壁ドンしてもらっちゃった!
ストーリー性のある壁ドン。
『きゃぁ、王子さまが・・・』
『憧れの王子さまが私を見てる・・・』
『・・・(陥落)』
真面目な演奏の後は、少しくらいふざけてもいいですよね?
演奏後にお写真を撮ってくださった皆さま、
もしよろしければ、Facebook経由などでも、お写真をいただけますと嬉しいです。
実は、私たち二人の写真が一枚もないです。
そしてそして、最後に宣伝を・・
鳥木さんとは来年5月27日(土)に、
小林厚子さんとの「ムーサ」で再び帰ってきます。
場所は東京オペラシティの近江楽堂です。
30日は写真撮影もあります。
テーマも決まり、今年のお正月、水野はせっせと楽譜作りに励みます。
どうぞお楽しみに!!