経験が幸せを気づかせる
こんにちは
水野直子です。
今日は音楽に関係ない話かもしれないけれど、
書きたくなったので書きます。
私たちは、今、食べたいな、と思うものを
お金を出しさえすれば
苦労せずに食べられる世の中に住んでいますよね。
和洋折衷、よりどりみどり。
幸せな時代に生きていると思うんです。
でもね、海外へ行ったことのある人は
多かれ少なかれ経験があると思うのですが
どんなに楽しい旅行でも、
日本食が恋しくなったりすることって
ないですか?
私は7年イタリアにいて、
イタリア料理をイタリア人のマンマに習ったり
伝統的な調理器具を揃えたりもして
イタリア料理は食べるのも作るのも大好きだけど
それでも、時々、
炊き立て熱々の白いご飯が
食べたくなったりしたものです。
私は肉はNGで、
魚は大丈夫、な人間なので
肉文化のヨーロッパは結構辛かったです。
ですが、地中海に囲まれたイタリアには、
魚介類が豊富(ちょっと高いけどね)。
鯖があるので、
シメサバをよく作っていました。
あと、新鮮なカタクチイワシのお刺身とか。
シャコもたくさん買ったなぁ。
なぜこういうお話になるのかというと、
今週は、レッスンが2日しかない週なので
時間に余裕があって
昼食から白米を炊いたんですね。
日々時間に追われているので
こういうふうに、日中から料理ができたのは
本当に久しぶりでした。
留学時代のゆったりした気分を思い出したりして
丁寧にお米をとぎました。
おかずはシンプルにメザシ。
このメニューは、人によっては
質素、と捉えるかもしれないんだけど
私にとっては
「大ご馳走」なんです。
イタリア留学時代は、
こういう食事が恋しくて、恋しくて。
もちろん、年に1度くらいは
一時帰国をしていて
その時は、日本食を「これでもか!!」と
お腹がパンパンになるまで
毎日食べていましたが
その時に食べた日本食と
完全に帰国してからの日本食は
味が全然違うんですね。
- イタリアで食べる日本食は「日本への懐かしさ」のみ。あと、一人だったので寂しさが募りましたね。
- 一時帰国の時に食べる日本食は、イタリアで満たされなかった「日本食が食べたい!」という気持ちを昇華するためだけに食べていただけ。いつまた食べられるかわからない、という焦燥感との戦い。
- 完全帰国してからは、イタリア留学中に「日本食を食べたいと思ったな」という「あの時」の気持ちと、頑張っていた自分の姿を第三者として見つめる時間になりました。日本食を食べながら、思い出を食べている感じ。
うまく言えないけど、
白ごはんとメザシって、
一昔前の朝食の定番メニューで、
逆に「それだけ?」なんて思われそうなんだけど、
今では、白ごはんとメザシって
いろ〜〜〜んな思いが絡まって
最高のご飯になるんですね。
これは、自分が日本だけにいたら
全くわからなかったし、
気づきもしなかった幸せです。
前ばかり見てきましたが
時々振り返ってみるのも大切ですね。