ショパンコンクール
5年に一度のショパン・コンクールが開かれています。
日本時間の明日朝、いよいよ優勝者が決まります。

コンクールがストリーム配信されるようになってからというもの、
世界中の主要なコンクールを予選からオンタイムで見られるようになりました。
私にとっては子どものような年齢のコンテスタントたちが、
日々切磋琢磨してきた演奏を毎晩聴かせてくれる——
目頭が熱くなります。
真剣な眼差し、緊張の面持ち、演奏後の安堵の笑顔。
どの瞬間にも胸が熱くなり、どのコンテスタントにも心からのエールを送りたくなります。
なぜなら、あの舞台に立つまでの道のりが、どれほど厳しく、孤独で、長いものかを知っているからです。
「日本人だから応援したい」というよりも、
「同じ音楽の道を歩んできた者として、その努力を想像できる」——
そんな共感に近い気持ちで見守っています。
今年は、演奏中に涙をこぼすコンテスタントの姿もありました。
あの舞台で感情が溢れるほど弾ける強さに、胸を打たれました。
同時に、あるソプラノ歌手の友人の言葉を思い出しました。
「舞台で泣いたら負け。
お客様に泣いてもらうためには、冷静な自分がいないといけないの。」
ピアノの場合、涙を流しても指が動けば演奏を続けられる。
だからこそ、声楽とは少し違うのかもしれません。
——そんなことを思いながら見ていました。
一方でSNSでは、「あの人は演奏で変顔する」といった意見も見かけました。
けれど私には、あの表情は彼女の内側からあふれ出たものだから、全く嫌なものとは思いません。
フランソワ・クープランは著書の中で
「顔の表情が歪むときは、鏡を置いて練習せよ」と書いていますが、
彼女の表情には、表情込みの表現なのではないかと思うほどです。
そして今回、ファイナリストたちが全員、英語で堂々とインタビューに答えていた姿にも感動しました。
世界へ羽ばたく日本の若者たち。
この小さな島国から、音楽という翼でどこまでも飛んでいく!
そんな未来を思いながら、
眠い目をこすりつつ、明朝の結果発表を楽しみに待っています。

いっちゃんはさっさと別室で眠ってしまいます笑