11/13 ピアノもチェンバロも、人それぞれの楽しみ方があっていいのです
先月からSOSのお問い合わせをいただいています。
そのSOSは60代、70代の女性たちからです。
どの方もピアノやチェンバロのご経験者で、
お問い合わせの文面から、
真摯な姿勢で取り組まれていらっしゃるのが伺えます。
でも・・・共通のお悩みは
「現在の先生が、自分の弾きたい曲を弾かせてくれない」ということでした。
お問い合わせの段階で、
印象的だったのが、皆さん、
「自分が下手だから悪いのですが」や
「先生のおっしゃることができない私が悪いのですが」
と、お書きになられていることでした。
失礼かもしれませんが、
お問い合わせくださった方々が、自分の母と重なって・・・
本来ならば楽しいはずのピアノレッスンなのに、と、
PCの前で胸がギュウとなり、、とても悲しくなりました。
もちろん、先生方の気持ちも、指導者として理解できる部分があります。
「この曲を弾くためには、これと、それと、あれをやってからじゃないと」という考えがあるんですよね。
その気持ちもわかる。
でも、それがすべての人にとって、正しい道かというかどうかは・・・
わからないんじゃないかな・・・
というか・・・
違うんじゃないかな・・・・・
例えば、インヴェンションを弾くために
- アンナ・マグダレーナをやって
- フリーデマンの音楽帳をやって、
- プレ・インヴェンションをやって
そして並行してバージナルブックもやって・・
バロックは舞曲が多いから、さらに舞曲やって・・・
それができてから、インヴェンションね、とか。
う〜〜〜ん、これは
音大へいく人や、趣味の社会人の方でも
まだ20代でピアノに燃えて、
アマチュアのコンクールを受けるような方なら有効かもしれないけれど
退職されて余暇を楽しみたい方や、
子供が巣立ち、自分の時間ができてから
憧れだったピアノやチェンバロを再開される方とは
取り組み方が絶対に違うと思うんです。
指導者は、音楽を見るだけでなく
受講生さんのバックグラウンドを見て
そのかたが音楽で、少しでも幸せになれるよう
お手伝いするのも、個人教室の役割なんじゃないかな、って思います。
私も、そのための教室作りをしていきたいです。
作品と人を繋ぐ場所になるように。