水野直子 ピアノ・チェンバロ教室より 2019年 年頭ご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

2019年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。

2019年が明け

一週間たってのブログ更新となってしまいましたが

皆様におかれましては、

良いお年をお迎えになられたことと存じます。

 

今年は、私事ですが、

イタリアから帰国して10年を迎えます。

 

 

「十年一昔」と言いますが、この数年は特に時の流れが早く感じられます。

そしてこの10年で、音楽を通して

多くの人々と出会い、

様々な経験をさせていただいたことに感謝しております。

 

 

20年前、留学を決意してから勉強してきたことが

この10年で、

さらに先の10年へつながり

公私ともに新しくスタートする「始まりの年」が幕開けしそうです。

 

 

 

さて。

2019年、どんな年にしたいですか。

 

 

 

2019年と聞いて私がまず最初に思い浮かぶことは

4月1日に発表される新元号です。

 

そして

30日には今生天皇が退位され

5月1日に皇太子殿下が天皇陛下へ即位されます。

 

この5月1日は、狙ったのかはわかりませんが、大安吉日。

新元号にふさわしく、吉兆な予感がいたします。

 

 

 

しかし10月には消費税が増税される予定とな・・・

 

 

 

国家の政策が変わる今年は、

ただでさえ気持ちの休まらない私たちの不安を

増長するかもしれません。

 

 

こうした社会にまとわりつく不安を押し返すのは

「個」の力に他ならない、と私は考えます。

自分がしっかりし、周りの出来事に流されないようにすることが大切です。

 

流されない自分を作るためには、「知」の力が必要です。

ではどうやれば「知」をつけられるのか。

 

それはまず、「自分が何を知らないか」を知ることです。

 

 

ピアノでそんなことが学べるのか?と思った方。

 

そうなのです、ピアノはまさに自分を知ることから始まる学問なのです。

 

 

ピアノは、生活しているだけでは動かさない筋肉を使います。

それもただ動かせばいいのではなく、

最小限の動きで最大限の効果を出すように訓練します。

この最小限の動きが、型=美しさです。

手首が下がったり、バタバタな指では、美しい音は鳴らせません。

美しさを追求するとき、人は自分に集中します。

この集中が、ぶれない自分を作るのにとても大切なのです。

 

 

ピアノの勉強は、

はじめのうちは教師の真似から入りますが、

それを自分のものにするためには、

ピアノを弾くだけではなく、

ピアノが生まれたヨーロッパの歴史、宗教、観念などはもちろん、

ピアノ以外の芸術ー美術、文学などの

ありとあらゆる知識を必要とします。

つまり本を読む力がつくのです。

 

今は本を読めない人が増えてきました。

動画で簡単に「検索」する時代です。

そうすると脳で考えるのが苦手になり

その結果、コミュニケーション力が下がります。

 

 

最後に、ピアノを通して、

目上の人との振る舞い、言動、貞節、敬い、など

学校や家では勉強する機会の少ない社会性を身につけてほしいと思っています。

そしてグローバル社会で一歩先を進む「気遣い」「思いやり」を持ちながらも

堂々としたアイデンティティを確立していただきたいです。

叶うことなら

活動は日本だけではなく

世界の、否、地球の一員として、

自律(自立)した大人になっていただきたいです。

 

 

そのためのレッスンとして

生徒さんの個人の能力や性格を観察しつつ

音楽史ごと ー バロック、古典、ロマン派、近現代 ー の教材を

成長過程において最適な時期に提供して

体にも心にもバランスの良い指導を心がけていきたいと思います。

 

私が気持ち良くレッスンできるのは

教室の理念に賛同くださる親御さんのご協力があってこそです。

 

 

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

水野直子

 

 

 

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