人生は選択の繰り返し〜ピアノを続けること、辞めること〜
練馬区氷川台、平和台、桜台のピアノ教室
『水野直子 ピアノ・チェンバロ教室ブログ』へようこそ
土曜日、懇意にしているお花屋さんのご好意で
胡蝶蘭を一本いただきました。
この立派な胡蝶蘭を
どこに飾ればいいかわからなくて
一本持って、
お部屋の中をウロウロしています。
実はこのお話には
小さなストーリーがありまして。。。
この日は午前中からいろいろとトラブルが続いていました。
挙句、昼食を作る際には写真二枚目のように、お鍋の柄が折れ…
熱湯をかぶりかけました。
そんなこんなで
ちょっと気分転換をしよう、と
お花を買いに行ったところ
こんな素敵なプレゼントをいただいたのでした。
胡蝶蘭をいただいた時には
午前中のトラブルも
熱湯を浴びかけたのもチャラに…
といいますか、
それ以上にルンルンな気分になったのですが
その後、お姉さんから
「私事ですが、今月で転職することになりました」とお話を受け
「ガ、ガ、ガ、ガーン!!」と
一気に気分が下がりまして
トボトボと、あたかも破れ破れ提灯をぶら下げるような気分で帰ってきたのでした。
閑話休題。
こちらのお花屋のお姉さんは30代、
3歳のお子さんを持つシングルマザーです。
彼女はフローリストとしてとても腕がいいのと
接客も気持ち良く、そして癒し系です。
小学生が下校途中、彼女に「バイバーイ」と手を振って帰っていく姿をよく見かけます。
だからお話を聞いた時
私は勝手に
引き抜かれて
もっと大きなお花屋さんへ行かれるのかと思ったのですが
退職の理由は
『花屋は母の日、正月などのイベントがある時は休日出勤もあるため、シングルマザーとしては、子どもを預けるところを見つけるのが難しいから』
というものでした。
15年の花屋としての経験に一旦区切りをつけて、
9時-5時で働く仕事に就くことを決めたそうです。
「子どものために、一番いい環境を作りたい」というお姉さんの「母の顔」が眩しかったです。
(でも、私はやっぱりさみしいけれど)
実はこちらのお姉さん、
音大を目指し頑張っていた時期があったそうです。
でもその時の先生から
「才能がない」
「下手」と言われ続けて、
心が折れ、音楽の道を諦めたそうです。
ですがそれでも音楽が好きで
何か役にたてることをしたい、
という思いがつのり、
その後は
青年海外協力隊の一員として世界の経済的に苦しい子どもたちに
「音楽で心の豊かさを感じさせたい」と
ハーモニカやドラムなどを教えて、
その子たちを日本へ招き
公演する機会を作ってきたそうです。
彼女が
「あの時の先生は今でも恨んでる!大嫌い!」
と言いながらも
「でもやっぱり、続けていればよかった」
そして
「やめる生徒がいたら、私の話をしてください」と話してくれたことがあります。
人はその時その時の道を選択しながら生きています。
その時の選択した意味は、未来にならないとわかりません。
その未来が、すぐなのか、数年後なのか、はたまた数十年後なのか…わかりませんが
「過去の経験が未来の自分をつくる」
という当たり前の選択を
悔いなくしたいものです。
彼女の今回の選択は
お子さんにもそして彼女にとっても
絶対ポジティブですよね。
もうすぐ、彼女に会えなくなるけれど
幸せになってほしい、と心から思います。