イタリアへ行ってきます
明日からイタリアへ行ってきます。
イタリアへ行く目的は、イタリアに置いてきたままにしている楽器を新居に迎える用意をするためです。
この楽器は、生徒さんもよく知っているソナチネアルバムに出てくる作曲家、クレメンティが作った楽器です。
クレメンティって誰?という方のために、少し書きますと、
ムツィオ・クレメンティは1700年代にローマで生まれ、10代半ばにイギリスへ渡り、ピアノ曲を100曲以上作曲した、技巧派の音楽家です。
ソナチネアルバムに、彼の作品がたくさん、収録されています。
クレメンティは、当時の音楽界でも大変有名で、あのマリー・アントワネットの前でも御前演奏をしたことがあるそうです。
あれ?この話、誰かを思い出しませんか?
ピンと来た方、正解です。
そうです、かのモーツァルトもマリー・アントワネットに会ったことがあります。
モーツァルトは、マリー・アントワネットの母、マリア・テレジアに御前演奏をした際、ピカピカに磨かれた床に転び、その時に真っ先に駆け寄ったマリー・アントワネットに「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる」と言ったという話が伝えられています。
その後、クレメンティが29歳、モーツァルトが25歳の時に競演しています。(モーツァルトは、競演後、クレメンティをケッチョンケッチョンにけなした手紙を父親に送っています)
私は、クレメンティも大好きで、日本で出版されていない楽譜をイタリア修行時代に集めて、ごっそり持って帰ってきました。
作曲家二人に対する音楽の好みは別にして、二人が使っていた楽器にフォーカスしたいのですが、
- モーツァルトが使っていたのはウィーン式ピアノ
- クレメンティが使っていたのはイギリス式ピアノ
どちらも音色が全く違い、楽器の特性を知ると、「ああ、こっちの楽器なら、こんな作曲、したくなるよなぁ」と、贅沢にも楽器から派生するそれぞれの作曲家が抱いていた音楽観の違いをも感じることがあります。
自分で自分のことを言うのも、なんだかな、と思いますが、どうやら「水野直子」とは、周囲では「バロック」や「チェンバロ」色が強いようですが、私はもともとピアノ転向組。
それも最初はチェンバロを勉強するために行っていましたが、音楽史の流れを添いながら勉強していくうちに、最後の大学院ではフォルテピアノで修了しました。
2009年に行った帰国リサイタルはフォルテピアノで行っていたんですよ。
それがなぜ今、チェンバロばかり弾いているのか、というと、今持っている楽器は、住宅事情の関係で、演奏会のために毎回搬出する、ということが非常に困難なこと(クレーンで釣らないと運べない)、
プラス「この楽器で弾きたい」という強い思いを掻き立てられる楽器に、失礼ながら、日本で出会えていない、ということがその理由です。
「自分のフォルテピアノで演奏会をするときは、私が結婚をして、この家を出るとき」と、実は、まだ旦那さんと会う前から、ず〜〜〜っと思っていた・・というか、決めていました。
でもそれが、もうそろそろ実現しそうです。
ということで!
今年の冬休みを利用して、1817年に制作された、博物館級の楽器に会いに、行ってきます!
今回のイタリア旅行のことを生徒さんやお母さまたちにお話ししたら「わぁ、いいなぁ、先生!」とおっしゃっていただいてるのですが
本人、ちょっと、プチ鬱です。
イタリアは、大好きだけど、あの修行の日々は(音楽も、それ以外の生活も)、辛かったので(実際、思い出すだけでも、泣ける)
イタリア行きが決まってから、不眠です(汗)。
夫からは、「うなされてる」と心配されてます。
あああ、私は、本当に明日が怖い。。
これでブログを終えると、愚痴ブログ化しそうになるで、楽しい思い出の写真で締めようかな!
クレメンティのピアノを置かせていただいている楽器工房では、いろんな体験をさせていただきました。
チェンバロのフレームを作ったり
クラヴィコードの鍵盤を削ったり。
自分の楽器を、手入れさせていただける、って、貴重でそして幸せな体験でした。
さ、頑張ってきます!
詳しくはこちらでご紹介しています
子供さんは練馬区氷川台、平和台、桜台、早宮、光が丘、北町、和光市、文京区、葛飾区、豊島区、千川から、
大人の方・ピアノ指導者の方はひばりヶ丘、葛飾区、世田谷区、豊洲、千葉市、宇都宮、那須塩原、大阪、愛媛県松山市、福岡市、静岡市、横浜市、鎌倉、仙台市、秋田県よりお越しいただいております。