付点音符が苦手? 19世紀の印刷は見やすい?
「付点音符の付点は
付点が付けられた音価の半分」
ということが頭に入っているのと
できるのとは違う。
これはよく言われるように
3回転ジャンプの存在を知っているのと
実際にできることが違うくらいのことなのだけど
ピアノは、フィギュアスケートのように
体ごと転んでしまうようなエキサイティングな視覚効果や
危険がないので
ちょっと間違っても、大した問題に
ならないように見えます・・・が、
音楽において、音価を間違えるのは「大事故」です
でももし付点を
下の画像のように書かれていたらどうかしら。

付点を赤で囲ってみます。

なんだか途端に弾きやすくなりません?
この付点の付け方は
もしかしたら
当時の印刷技術によるものかもしれませんが、
この付け方の方が、人に優しい気がします。
これは19世紀に印刷された
クラーマーの練習曲から。
オリジナルはミラノ国立音楽院の図書館蔵。
イタリア時代の師匠が学生の時にコピーしたものを
水野がコピーしたもの。
200年近く前の曲に触れる喜びは、
それはそれは大きなものですが
こうして資料を惜しみなく提供してくれた
師匠の気持ちもありがたくて、
胸がぽっとあたたかくなります。