チェンバロでバッハ:シンフォニア第2番 ハ短調

練馬区氷川台、平和台、桜台のピアノ・チェンバロ教室  
水野直子 ピアノ・チェンバロ教室》ブログへのご来訪、ありがとうございます。

 

今日のお題は「チェンバロでバッハ」です。

 

バッハといえば、小学校の音楽室で白いカツラをかぶったおじさんの肖像画を思いだす方も多いでしょう。

バッハは「音楽の父」と呼ばれていますが、これは日本独特の呼び名です。

イタリアでは「パパ・バッハ」と呼ばれますが、それはバッハの2人の息子たち(両者とも音楽家)を踏まえての「パパ」であって、音楽史上の「パパ」ではありません。

 

「音楽の父」なんて名前を聞いたら、バッハが西洋音楽を大成したような錯覚に陥りますが、そんなことはなくて、バッハよりも、もっと以前からその時々に名曲があり、

実際にバッハも、鍵盤音楽はフローベルガーをお手本にしていたし、バッハと同時代の作曲家にも傑作はたくさんあります。

だからバッハを「音楽の父」として、小学生に刷り込むのは、「ちょっと、どうなの?」と、疑問に思います。

とはいえ、私がチェンバロの世界に入ったきっかけは、この「バッハ」大先生です。

その理由は単純明快。

ピアノを上手くなるために、ピアノ科の音楽史で一番はじめに登場する「バッハ」の勉強をし直そう、と、「バロック」と「チェンバロ」に恐る恐る足を踏み入れていきました。

でも実際にその世界へ入ってみると「バッハ」を知るには、「バッハ」以前とバッハのその時代のヨーロッパ事情(音楽習慣はもちろん、生活環境、社会の流れなど歴史的背景)を知ってなければ、単なる技術的アプローチだけでは全く太刀打ちできませんでした。

そこで、「楽譜」を木の幹として、枝葉を伸ばすために歴史学的アプローチが加わり、より深淵へと突き進むことになるわけですが・・この手の話はまた少しずつ行うとして。。

 

私自身は、「弾くことが好き」から音楽家になったわけですが、こうして座学の勉強をし始めて、文字を追うことも好きだったもう一人の自分を知り、どんどん楽譜以外の資料を集めては、せっせと読んでいるのですが・・・そうすると、読むことばかりに没頭して、今度は演奏することが二の次になってしまう・・・これをチェンバロを弾くようになってから、かれこれ20年ほど繰り返しています。

 

前置きが長くなりましたのでそろそろ本文へ。

 

実は、この夏のレッスンでは、ピアノレスナーやチェンバロ愛好家の方の『インヴェンションとシンフォニア』率がものすごく高かったので、私も夏休みを利用して復習していました。

チェンバロとピアノは同じ鍵盤楽器とはいえ、その発音構造が全く異なる、ということは、もはや周知の通りですが、「でも実際にはどう弾くのか」というのは、ピアノ脳ではちょっと想像できないかも。

特に「バロックがロマン派みたいになる・・・」とお悩みの方は、一度、チェンバロを弾いてみるのをオススメします。

 

動画は3声のシンフォニア、第2番 ハ短調。

 

 

2声のインヴェンションに比べると、3声はとたんに難しくなるので苦労するところもありますが、チェンバロの3声は、ピアノ以上に縦のハーモニーが感じられて、厚みもあり、私はすごく好きです。

チェンバロでバッハを弾くと、テーマの大切さだけでなく、和声の大切さがよくわかります。

 

バッハはテーマを頭のなかで鳴らしながら、和声を感じていた人なんじゃないかなぁ、と思います。

 

ピアノの演奏もありますが、長くなったのでそれはまた次回に。

ハ短調のイメージなども、マッテゾンの論文からご紹介しますね!

 

 

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