クラーマーの練習曲の使い方
こんにちは
水野直子です。
みなさんは「練習曲」と聞くと、
どんなイメージがわきますか?
- 同じ動きばかりでつまらない
- 自分の苦手なところばかりが出てきてテンションが下がる
- 曲として楽しめない etc.
いろいろと愚痴が出てきそうですが
水野はこの練習曲が大好き。
なぜかというと、
練習曲を練習すると、必ず上手くなるから✨
練習曲にも、効率の良い練習の仕方があります。
それは
自分の苦手な動き ー 例えば左手が動きにくいなら、左手を鍛える練習曲を使えばいいし、3度進行やトレモロを強化させたければ、その曲 ー を勉強すればいいんです。
それも、最初から終わりまでを練習するのではなく、
ワンフレーズから、長くても中間部分まででいいんです。
そして、それができたら、次へ進む。
そして、また数日後、数週間後、数ヶ月後と
適宜戻って
自分の技術が衰えていないかをチェックする。
その繰り返しで、技術力は維持されていきます。
さて、私がここ最近さらい直している練習曲は
クラーマーの練習曲。
クラーマーはベートーヴェンより1歳年下の作曲家です。
「ベートーヴェンは、生前、
クラーマーの練習曲を使っていて
その楽譜にはベートーヴェンの運指が書かれている」
と、ベートーヴェンの死後に伝記を書いた
アントン・シンドラーが提示した楽譜があって
その楽譜はUNIVERSAL EDITIONから出版されています。
Johann Baptist Cramer: 21 Etüden nebst Fingerübungen von Beethoven nach seinem Handexemplar
ですが、
シンドラーの伝記には捏造が数多くあって、
信用性が低い・・・?かも。
全てを鵜呑みにはしない方がいいかもです。
興味深い論文があったので
リンクを張っておきます。
http://www.ri.kunitachi.ac.jp/lvb/rep/kakeya03.pdf
さて、上述のベートーヴェンの運指がついた
クラーマーの練習曲集は
ネットで探してもすぐに検索できなかったので
もし欲しい方がいらっしゃれば、
ヤマハやカワイに注文した方がいいかもしれません。
私は、イタリア留学時代の教授から
コピーをいただきました。
イタリアはコピー大国なので、こういうことも咎められなかったんですよね。
(日本では、ダメですよ、そんなことしちゃ)
写真の奥がそのコピー本、
手前の2冊が初版のコピーです。
楽譜は校訂者や出版元を通して
色々と変わっていくことも多いので、
演奏者はもちろん、指導者も
自筆譜、初版、最新の研究によって作られた現代譜を通して
多角的にアプローチしていく必要がありますね。