質問「バッハでおすすめの版を教えてください」にお答えします
今日はよくいただく質問【バッハでおすすめの版を教えてください】にお答えします。
私がおすすめするのは ズバリ! ベーレンライター🧸🌟
クマの上に星が乗っているあのマークです。
ベーレンライター出版社の創設者はカール・フェッテレ。
1923年、フェッテレが20歳の時に設立されました。
ベーレンライターは、ベーレン「熊の」ライター「乗り手」という意味。
カール・フェッテレが 11 歳のころ、
おおぐま座の上にアルコル星という星が乗っかっているのを見ていたとき、
「自分が前に進めないと思ったとき、おおぐま座の上に乗っているアルコル星のようにくまの背中にまたがって、その先へ進めばいいんだよ」
と言われたというエピソードから来ているそうです。
さて、いまでこそ日本人に愛されているバッハですが、没後はすっかり忘れ去られてしまっていました。
バッハの復活の手助けとなったのが メンデルスゾーンによる 《マタイ受難曲》の再上演(1841年)です。
その後間もなくのバッハの没後100年に【バッハ協会】Bach -Gesellschaftが設立されます。
それによりバッハの全作品を 出版する事業が開始されます。
この事業には メンデルスゾーンやシューマンも関わっていて
1851年に第1巻を出版したのち、1899年までに第46巻までを出版しました。
これを『バッハ全集』 Bach Gesellschaft Ausgabeと言います。
この46巻のバッハ全集を出版したのち、バッハ協会は1900年に解散しました。
しかしバッハ全集は誤植も多く、 またバッハの作品かどうかの真偽が疑われる作品も含まれていました。
(ペツォルトの《メヌエット》など・・・ですね)
バッハ協会が解散されたその年に、すぐに【新バッハ協会】Neue Bachgesellschaftが設立されます。
この協会はバッハ全集完結後もバッハに関する研究成果を世に広めるため
- バッハ年鑑の発行
- バッハ音楽祭の開催
- バッハ博物館の設立
を推進することを大きな柱として活動していきました。
このような背景とともに、バッハに関する研究はますます盛んになります。
この時代は2度の世界大戦もあり、混乱の世の中でしたが、歴史に残る成果がどんどんと積み上げられていくのです。
バッハ没後200年の1950年、世界大戦が終わり、そしてバッハ全集の完成から50年がたったことで、再び全集を発行する企画が持ち上がります。
この企画は、ゲッティンゲンの 【バッハ研究所】と ライプツィヒの 【バッハアーカイブ】 によって、徹底した調査研究をもとに編集されていきます。
これを『新バッハ全集』Neue Bach-Ausgabeとしてベーレンライター社が出版していくのです。
これが水野がベーレンラーター版を使う理由です。
水野のレッスンから、ベーレンライターへと変えたレッスン生の方々は口々に「音符が見やすい!」とお話しされます。
印刷の見やすさも、ベーレンライターの特徴だそうですよ。