ピアノで時短をしたければ

時は金なり。


生きている実感が、ますます高速化する現代は
時短、省エネ、という言葉に
ますます敏感になっているな、という気がします。


ではピアノでそれは実現できるのかしらん?

ピアノは時間芸術なので、
絵画のように一瞬にして目で見ることができないし、
(細部を見ようと思えば、時間はかかりますけど)
見た瞬間に圧倒的な感動を与えられるものではないですね。
それどころか、ピアノは真逆の芸術です。
ピアノは演奏時間が決まっていて、
時間をかけて味わうもので、
最後まで、どう完結するかわからないものです。

こうした時間をかけて味わう、という
性格を持つピアノを習うことに
「時短」や「省エネ」をしたい、
最小の努力でピアノが上手くなりたい、と思うならば
それは最初から間違った奏法でピアノを弾かない
ことではないでしょうか。

間違った奏法とは、
体が強張ったまま、力んだり
本当はボールをふわりとつかむような手つきが必要なのに
指が天井を向いていたりして
手の形が定まっていなかったり
体をまっすぐに立てられなかったり・・・
です。


こうした悪い習慣が身に付いてしまったら
直すのに後々苦労します。

しかし指や手、体の骨が
まだまだしっかりしていない小さい子どもは、
自分の弱い力でも、なんとか音を出そうとして
本来使ってはいけない弾き方をします。

そのほとんどは、音を大きく出したくて行うものです。

例えば、腕や手首を一音一音振りながら弾く。
頭をふりながら弾く子もいます。

大きな音を弾くために、
指の腹全部を使ったり、
指をピーンと貼ったまま指を振り落としたります。

こういう弾き方を言葉にすると
「こんにちは」を
「こ、ん、に、ち、は」と言っているものです。

もしこんな話かたをしていたら、
面白い話かたをする人だな、
変わった人だな、
変だな、
と思いますよね。

音楽は言葉と同じように
抑揚をつけて、正しく演奏したいものです。

だから
はじめから正しい弾き方をすることが大切で、
それが時短、省エネとなると考えます。


幼児のピアノレッスンでは
この部分をしっかり伝えていくので
最初のうちは時間がかかる、
教材の進みが遅い、と思うかもしれません。

でも、ここが時短への第一歩だと
幼児の場合は1年先、3年先、5年先、を
見据えて
そのさきにバンと花開くのを待ってあげてくださいね。


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