ピアノ初心者の定番&人気の曲 といえば《エリーゼのために》

ピアノ初心者のあこがれの曲の代表といえば
《エリーゼのために》は外せませんよね。

この曲を知らない人は、
ピアノを習っていれば知らない人はいないでしょうし、
ピアノを習ったことがなくても
《エリーゼのために》なら知っている方も多いはずです。

《エリーゼのために》は教室の生徒さんにも大人気です。

Aちゃん 《エリーゼのために》を勉強中

エリーゼとは誰なのか

《エリーゼのために》の作曲家、
ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770 – 1827)は
ドイツの田舎町ボンの出身。


宮廷歌手であった父ヨハンから英才教育を受け、
8歳頃からヨーロッパ各地で演奏を行い
若くして、その名声は広がっていきました。

1770代といえば、天才モーツァルトの名声が
各都市の宮廷やその筋には輝かしくとどろいている時。
ちなみにモーツァルトは6歳に演奏デビューしていました。

ベートーヴェンの父ヨハンは、
我が子を第二のモーツァルトのようにしようと考え、
ベートーヴェンの年齢を2歳若くサバを読んで
8歳のベートーヴェンを6歳、と偽って
どうやら各界へ紹介をしていたようです。

今も昔も、年齢詐称は存在しますね。

さて、このベートーヴェンは、1792年の22歳の頃には
田舎町ボンを離れ、ウィーンへ移住し、
作曲家・上流階級の音楽教師として生計を立てるようになります。

ベートーヴェンの教える弟子には、
練習曲で有名はカール・チェルニーなど
音楽家の卵もいましたが
しかし弟子のほとんどは、貴族出身の女性たちでした。
そしてベートーヴェンの恋愛対象はそうした彼女たちで、
楽曲《エリーゼのために》も、そのうちの一人、
テレーゼ・マルファッティの誕生日のために作曲されたもの、と言われています。

Wikiより

ここで「え?テレーぜ?エリーゼではないの?」と思われた方も多くいらっしゃるでしょう。
これは最後にお話ししますね。

《エリーゼのために》の作曲経緯とその分析

作曲の経緯

《エリーゼのために》はベートーヴェンの死後
出版された、作品番号のない小品です。
テレーぜの指摘書簡から発見されたもの、と位置付けられています。

この曲はベートーヴェン自身から、生前
「つまらないもの」という意味の「バガテル」と呼ばれ、
他の作品群のように
名曲として選ばれていなかったようです。

ベートーヴェンの作品のほとんどは
作曲後、数年のうちに出版されています。


200年以上も経った現代の私たちの心の中に
年齢や性別を問わず「あこがれの曲」として
真っ先に挙げられるている、というのに
死後までお蔵入りだった、という事実は
なんだか不思議・・・というか、
何か理由があるのではないか、と勘繰ってしまいませんか?

実は、ベートーベンは、
このテレーぜという女性との結婚を考えていたのですが
その思いは実らなかったんですね。

《エリーゼのために》は、作曲家ベートーヴェンの、私的な恋文であったのです。
ですが、ご存知の通り、一生独身だったベートーヴェンです・・
彼のその思いは叶わず・・・
そうした経緯もあって、世に出なかった(出版されなかった)のでしょうね。

楽曲分析

初心者のあこがれの曲《エリーゼのために》を贈られた
エリーゼのピアノの腕前は、あまりうまくなかったと伝えられています。

ですが、さすがベートーヴェン、
楽曲構成としては、ベートーヴェンの特徴&お得意の
「三度転調」(イ短調→ヘ長調→イ短調)が用いられ、
A – B – A – C – Aのロンド形式が採用されています。

AからBでは、
恋心をあらわすメランコリーなイ短調(A)から
喜びをあらわすヘ長調(B)への転調は
聞き手の心に緊張をうながします。

ちょっと難しい話をしますが、
転調する場合は、平行調のイ長調や
下属調の二短調を使用することが多いですが
そこがベートーヴェンが他の作曲家とは
大きく違うところ。
ここに、ベートーヴェンの天才性を感じます。

その後(A)を経て、
次の(C)の部分では、
左手のラの連打(ここを苦手とする生徒さんは多いかも)は
恋する心臓の鼓動を表し、
また右手の連続して登場する和音によって
曲はクライマックスへと向かいます。

その後のイ短調の3オクターヴにわたって上下する分散和音が
優しく最後の(A)へ誘います。

実はこの曲は、冒頭部分の優しい耳障りの良いメロディ部分が
とにかく印象的であるために、
終始、そうした感じの曲かと思わせるのですが
技術的には、
A部分の左手の分散和音、B部分のメロディ中に挿入された装飾音や、
ソのオクターヴを中心とした親指の運指など、
テレーゼの技術向上を目的としたような、教育的な目的も見られます。

これも、ベートーヴェンのテレーぜへの愛ゆえ、ですね。


エリーゼ?テレーゼ?

さて、こうした愛情いっぱいの《エリーゼのために》ですが、
なぜ、テレーぜへの曲がエリーゼになったかというと。。
ベートーヴェンの筆跡が悪筆だったために、
テレーぜをエリーゼと読み間違えられれるという
出版社の誤読のためによるもの、と言われています。

さて。
今日はまぁまぁ真面目に書いてみました。
というのも、この原稿は、実は6年前に
東京大学大学院の試験問題
「芸術作品と自己表現との関係について述べよ」という
過去問を解いた時の原稿を
一部改編して載せてみました。
学科は通ったけど、面接で落ちて、
周りの人たちを逆に驚かせた、という苦い歴史も
時がたてば、こうやってネタにできたので、ま、いっか(笑)

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